プロレス界で「伝説」と呼ばれている「新日本プロレス熊本旅館破壊事件」。
泥酔するプロレスラーが旅館一軒まるごと破壊したとされる騒動です。
当時居合わせた複数人の証言から、やや長編の「実録」を執筆しました。
昭和のプロレスファン必見です!
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■2月8日『天龍源一郎×アントニオ猪木トークバトル』
2020年2月8日、天龍源一郎率いるトークイベントが開催されました。
題して『天龍プロジェクトPresents トークイベント第13弾 天龍源一郎×アントニオ猪木トークバトル』。
タイトルを見る限りツッコミどころ満載でぜひ足を運んでみたくなるイベントです。(笑)
アントニ猪木も今年で76歳、天龍源一郎は70歳。
昭和のプロレス全盛期、猪木は新日本プロレスを運営、天龍はジャイアント馬場率いる全日本プロレスで大活躍しました。
その2人のトークイベントということで、会場は溢れんばかりのプロレスファンで覆い尽くされました。
■猪木が言及した「熊本県内で選手が旅館を破壊するほどのケンカ」って何?
トークバトルは、猪木による天龍のしゃがれ声のモノマネなどからスタート。
大御所2人のプロレスに関する思いや昔ばなしなどが語られ、興味津々な話題にファンも大満足だったようです。
そんな中、話はお酒の話題に移行します。
猪木がワンカップ55杯飲んだとか、天竜が猪木とビール一気飲みの対決後、試合前に喉に指入れて全部吐いたとか、いろいろとすごい話が炸裂。
その中で、猪木がファンの間で伝説となっている『熊本旅館破壊事件』について言及しました。
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■「熊本旅館破壊事件」とは?
『熊本旅館破壊事件』とは、1987年(昭和62年)1月23日の夜、熊本県水俣市の旅館で、新日本プロレス一行が酒によって大喧嘩をした挙げ句、宿1軒をまるまる破壊したとされる伝説の事件。
新日本プロレスにUWFが合流してから約1年が経過したタイミングで、新日勢とUWF勢による初めての親睦会だったそうです。
(後にも先にもこれ1回のみという説もあり。)
アントニオ猪木了承のもと、坂口征二の取り計らいにより開かれました。
その親睦会で起きてしまった壮絶な出来事のことです。
■「熊本旅館破壊事件」はなぜ「伝説」となってしまったのか?
しかし、旅館1軒を破壊してしまったこの事件、なぜ伝説と呼ばれているのでしょう?
その理由は、事件の中心物となった若手選手たちが、現在ではプロレス界を引っ張っている中心的な存在となっているからです。
彼らが若手レスラー、又は新人見習いだった時代に起きた事件のため、伝説化しているのだと思われます。
前田日明、武藤敬司、高田延彦、船木誠勝、蝶野正洋、飯塚高史、そしてアナウンサーの古舘伊知郎。
古舘も含めて、後に大活躍する人物ばかりです。
○「伝説」と言われるもう一つの理由
もう一つ、「伝説」と言われる理由があります。
それは、そこにいたほぼ全員が泥酔していたこと。
それを裏付けるかの如く、証言者により細かく食い違っている部分があるのです。
事件の全貌が断片的にしか言い伝えられていなかったため、誰が言うともなく「伝説」と呼ばれるようになったのでしょう。
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■当時の新日本プロレスとUWFの関係
この事件の真相を語る前に、当時の新日本プロレスとUWFの関係に付いて、簡単に説明しておきます。
○UWFは蹴りを主体としたストロングスタイルのプロレス団体
超簡単に記述します。
UWFとは、当時新日本プロレスに所属していた数人のレスラーで結成されたプロレス団体です。
世間一般的には、蹴りを中心としたストロングスタイルを目指すレスラーたちが新日に反旗を翻すかのごとく独立した団体という位置づけで周知されていました。
(本当はいろいろと大人の事情があり、もっと複雑な経緯があります。)
結果的には、新日勢 vs UWF勢という図式が出来上がり、かなり白熱した展開も繰り広げられました。
そのため、興行的に大当たりでお客さんも大変喜んだ結果となったのです。
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