日本では開発する抗インフルエンザ薬、アビガン。
以前から新型コロナウイルスにも効果があると期待されていた薬です。
そのアビガンを日本が臨床試験用に世界に無償適用すると発表。
コロナ特効薬への期待が高まっています。
■日本政府が臨床試験用にアビガンを世界に無償提供すると発表!
4月3日、菅官房長官が新型コロナウイルスの治療薬として期待されているアビガンを、臨床試験用に世界各国へ無償提供すると発表しました。
先日のドイツからの要請を機に、世界中から注目が集まっている状態です。
世界各国で臨床試験、つまり治験が始まれば、服用後の症例データが数多く集まることとなり、コロナ治療に対しての期待が大いに高まっています。
新型コロナウイルスの特効薬として利用されれば、人類は大きな第一歩を進んだといえるでしょう。
スポンサーリンク
■そもそもアビガンとはどういうお薬?
『アビガン』とは商品名であって、薬剤の正式名称は『ファビピラビル』といいます。
つまり、アビガン=ファミピラビルと考えてOKです。
富山大学医学部と富山化学工業(現:富士フイルム富山化学)が抗インフルエンザの効果があるファミピラビルを共同開発、2014年に『アビガン』を製品化します。
○妊婦さんへの使用はタブー
しかし、問題がひとつありました。
それは、動物実験で、胎児が奇形になる可能性が指摘されたのです。
これにより、日本政府から「新型インフルエンザが流行し、他の薬剤が効かないと日本国政府が判断した場合」に限り製造が許されるという条件が課せられてしまったのです。
よって、現時点でも、妊婦さんへは投与はしてはいけない薬となっています。
現在、新型コロナウイルスが「流行し、他の薬剤が効かないと日本国政府が判断した場合」です。
これにより、アビガンに期待が高まっているのです。
○エボラ出血熱の治療にも使用されていた
ちなみに、2014年には、世界においてエボラ出血熱の治療にも使用されていたことがあります。
ウイルス量の多い患者や小児では効果がなかった例もあったようですが、さまざまな改善例が報告されていました。
■アビガンは新型コロナウイルスの特効薬となるか?
今回の新型コロナウイルスでは、すでに2020年2月から臨床試験や動物実験が行われています。
それによると、病状が改善したという数多くの報告がある一方で、効果についてはまだ不十分という声があるのも事実です。
実際に、日本で3日間投与を行った患者に改善が見られなかったという報告もあります。
ちなみに、3日間しか投与をされなかった理由は、ECMO(人工心肺装置)が必要なために患者が他の病院へ転院したためです。
しかし、100%とまではいきませんが、臨床試験においての改善例が数多く報告されているのも事実。
スポンサーリンク
○アビガン、人工呼吸器、ECMOの開発費用を国が援助
4月3日の夜、日本政府は、アビガン製造の他、人工呼吸器、ECMO(人工心肺装置)の開発費用を国が全額援助すると発表しました。
【次のページ】アビガンが医療現場で治療薬として使われるのはいつ頃?